ロレックスの買取相場はどう決まるか|型番・文字盤・付属品で変わる理由
公開 2026-09-05
「デイトジャストの買取相場はいくらですか」というお問い合わせをよくいただきます。ただ、この質問には一つの金額でお答えすることができません。ロレックスの買取価格は、モデル名ではなく型番と文字盤の組み合わせで成立し、そこに付属品と状態が乗るかたちで決まるからです。この記事では、その3つの要素がそれぞれどう効くのか、査定の現場で実際に何を見ているのか、そして売却を検討する際に手元で確認しておくとよいことを順に説明します。
この記事に出てくる金額は、すべて2026年5月時点の市場集計値です。本日の価格ではありません。中古市場の取引データを集計した参考値であり、当社が提示する買取価格でもありません。最新の値は、型番と文字盤の組み合わせごとの相場ページに、基準日とあわせて掲載しています。
買取価格は「モデル名」ではなく型番で決まる
ロレックスの一本一本には、型番(リファレンス)と呼ばれる4〜6桁の製品固有番号が割り当てられています。同じデイトジャストでも、ケース径、素材の組み合わせ、ベゼルの形状、搭載するムーブメントが違えば型番は別になります。査定では、まずこの型番を特定するところから始まります。
型番は保証書に記載されているほか、多くのモデルではブレスレットを外したケースの6時側、ラグとラグの間に刻印されています。ご自身で外すのは傷の原因になりますので、店頭で確認させていただくのが確実です。お問い合わせの段階では、保証書の記載か、時計の全体が写った写真をお手元にご用意いただけると話が早く進みます。
同じモデル名でも型番が違えば価格帯が変わるため、モデル単位の「相場」は幅としてしか表現できません。実際、デイトジャストという一つのモデル名の中でも、型番によって参考買取価格には大きな開きがあります。デイトジャスト系の90型番について2026年5月時点の市場集計値を型番ごとにならすと、下はおよそ45万円、上はおよそ280万円まで広がります(中央値はおよそ140万円)。ご自身の一本がどのあたりに位置するかは、型番から辿っていただくのが早道です。ロレックスの型番一覧を見る
同じ型番でも、文字盤で差がつく
型番が同じでも、文字盤の色やインデックスの仕様が違えば買取価格は変わります。シャンパン、ブラック、スレートといった色の違い、バーインデックスとローマ数字の違い、ダイヤインデックスの有無。いずれも同じ型番の中の選択肢ですが、実際の取引価格には差が出ます。
差が生まれる理由は、メーカー希望小売価格の差ではなく、中古市場でその仕様がどれだけ探されているかにあります。人気の仕様は流通しても早く動き、そうでない仕様は在庫として残る期間が長くなります。この違いが、そのまま買取価格の差になって表れます。ですから「新品時に高かった仕様が、いま高く売れる」とは限りません。
たとえばデイトナの116500LNでは、黒文字盤がおよそ425万円、白文字盤がおよそ500万円で、その差は75万円ほどになります。後継の126500LNでも、黒文字盤がおよそ505万円、白文字盤がおよそ590万円と、85万円ほどの差がついています(いずれも2026年5月時点の市場集計値)。同じ型番、同じ素材で、違うのは文字盤の色だけです。ただし、すべての型番でこれほどの差が出るわけではありません。文字盤違いそのものが存在しない型番も多くありますし、どちらの色が高くなるかも型番ごとに異なります。当サイトでは型番と文字盤の組み合わせごとに相場ページを用意していますので、お手元の一本に近いページでご確認ください。116500LN 白文字盤の買取相場を見る
箱と保証書が価格に乗る仕組み
付属品が価格に影響するのは、買取店側の好みの問題ではありません。買い取った時計を次にお客様へお渡しする際、付属品が揃っているかどうかで販売価格が変わるためです。その差が、買取の段階に反映されているとお考えください。
査定で確認するのは、内箱と外箱、保証書(近年のモデルではカード型が用いられています)、サイズ調整で外した余りのコマ、購入時の書類などです。中でも保証書は、製造年や正規流通の裏づけになるため、有無で扱いが変わりやすい書類です。なお保証書には購入者のお名前が記載されている場合がありますので、査定時に個人情報の取り扱いについてご不明な点があれば、その場でお尋ねください。
付属品が揃っていない場合でも査定はお受けしています。「保証書がないから売れない」と思われていた方が、実際にはお値段がついた、というケースは珍しくありません。なお、当サイトに掲載している相場は、当社が提示する買取価格そのものではありません。掲載にあたっての前提は次のとおりです。※ 本相場は中古市場の取引データに基づく目安であり、実際の買取価格は商品の状態・付属品・年式・為替等により変動します。
査定士が実際に見ているところ
型番・文字盤・付属品が価格の骨格を決めた後、最後に効いてくるのが状態です。査定の現場で確認しているのは、外装であればケースのエッジが研磨で痩せていないか、ブレスレットに伸びが出ていないか、風防やベゼルに当たりがないか。機構面では、駆動しているか、リューズやブレスの留め金が正常に機能するか。加えて、ベゼルやベルト、インデックスに純正でない部品が使われていないかも見ています。順番としては、まず外装を一通り確認し、そのうえで駆動と機構、最後に部品の純正性を見ていきます。外装の状態は写真からもある程度は判断できますが、研磨によるエッジの痩せやブレスレットの伸びは、実物を手に取らないと確かめにくい部分です。事前のお問い合わせで概算をお伝えしたうえで、最終的な金額は店頭でお預かりしてから確定させていただくのは、このためです。
ここでよくある誤解が二つあります。一つは「磨いてから持ち込んだ方が高くなる」というもの。汚れを拭き取っていただくのは構いませんが、市販の研磨剤でケースを磨くとエッジが崩れ、かえって評価を下げてしまいます。もう一つは「動いていないと値段がつかない」というもの。長期間止まっていても、ゼンマイが巻かれていないだけということが大半ですし、修理が必要な場合でもその分を織り込んだうえで査定します。
社外部品については、純正部品が手元に残っているかどうかが分かれ目になります。ベルトを社外品に交換された方は、外した純正ブレスレットを一緒にお持ちください。それだけで前提が変わります。実際にどのような一本をお預かりしてきたかは、買取実績のページでご覧いただけます。ロレックスの買取実績を見る
提示された金額をどう受け止めるか
中古時計の買取価格は、その時計が中古市場でいくらで取引されているかを土台に、販売までにかかる整備費用や在庫期間などを差し引いて決まります。業界ではこの差し引きの考え方を「掛け目」と呼びます。市場価格が動けば買取価格も動く、という関係にあるとご理解ください。
そのため、相場は一点の数字ではなく、幅として見ていただくのが実態に近いです。当サイトが型番と文字盤の組み合わせごとに掲載しているのは、ある時点で市場の取引データを集計した値です(本稿の執筆時点では2026年5月の集計値を掲載しています)。型番と文字盤ごとのページには、その値がいつ時点のものかを併記していますので、確かめたうえでお使いください。そこから実際の査定額がどう前後するかは、ここまで述べてきた型番・文字盤・付属品・状態の条件で決まります。
今後上がるか下がるかを申し上げることはできませんし、そう断言する情報は根拠を確かめたうえで受け取っていただければと思います。できるのは、集計した時点の事実と、その水準をお示しすることまでです。時計全般の買取については、こちらにまとめています。時計の買取ページを見る
持ち込む前に確認しておくとよいこと
準備として役に立つのは、まず型番を控えておくことです。保証書があればその記載を、なければ時計の全体写真を撮っておくだけでも、事前のお問い合わせがスムーズになります。次に、箱と保証書、余りコマ、社外品に交換した場合の純正部品を探しておくこと。この二つで、査定の精度が上がります。
一方で、しない方がよいこともあります。ケースやブレスレットを研磨すること、ご自身で裏蓋を開けること、電池交換以外の分解を伴う修理を売却直前に入れること。いずれも評価を下げる方向に働きます。汚れが気になる場合は、乾いた柔らかい布で拭う程度に留めてください。
査定の際は、オーバーホールの履歴、購入された時期と店舗、これまでの保管状況をお伝えいただけると助かります。特にオーバーホール歴は、書類が残っていれば一緒にお持ちください。複数本まとめてご相談いただくことも可能です。お手元の一本がどの型番にあたるかを調べるところからでも構いません。LINEで写真を送っていただければ無料で査定いたしますし、お近くの店舗へ直接お持ちいただいても承ります。お近くの店舗を探す
この記事の監修

山田査定士総合査定士
査定歴20年以上 / AACD協会基準判定士
時計・ブランド品・アンティーク品など幅広いジャンルを担当。香港を中心に海外バイヤーへの時計卸売業務にも従事し、真贋判定・輸入検品に精通。世界の市場動向を踏まえた信頼性の高い査定が強みです。