腕時計の「ムーブメント」|機械式とクォーツ、買取査定での違い
公開 2026-09-19
# 腕時計の「ムーブメント」|機械式とクォーツ、買取査定での違い
腕時計を売却しようと調べていると、「機械式」「クォーツ」という言葉に出会います。どちらも時計の動力方式を指す言葉ですが、仕組みが違うため、査定の現場で確認する項目にも違いがあります。この記事では、2つの方式の仕組みと、それぞれの査定で見ているポイントを説明します。
機械式とクォーツ、何が違うのか
機械式は、ゼンマイの解ける力を動力にする方式です。手で巻き上げる手巻き式と、腕の動きで自動的に巻き上がる自動巻き式があります。電池を使わず、歯車とテンプ(振動部品)の機構だけで時を刻みます。定期的な巻き上げ(自動巻きの場合は日常的な着用)が必要で、数年に一度のオーバーホール(分解掃除・注油)が推奨されています。
クォーツは、水晶振動子と電池を使って動く方式です。電池を動力にモーターを駆動し、精度は機械式より安定しやすい傾向があります。電池切れになると針が止まりますが、電池を交換すれば再び動きます。国産ブランドを中心に、日常使いの時計として広く普及している方式です。
いずれの方式も一長一短で、どちらが優れているという単純な話ではありません。機械式は機構としての価値や希少性が評価されやすく、クォーツは精度と手入れの少なさが評価されます。
査定で確認するポイントの違い
機械式の場合、まず駆動しているかを確認します。止まっている場合も、ゼンマイが巻かれていないだけのことが多く、それだけで減点にはなりません。次に見るのは、リューズの巻き心地、秒針の動きの滑らかさ、オーバーホールの履歴です。オーバーホールが長期間行われていない個体は、内部の状態を確認したうえで査定額に反映することがあります。
クォーツの場合、電池が切れていても駆動状況の確認に大きな支障はありません。むしろ確認するのは、電池交換の際に使われたパッキンの状態(防水性能に関わる部分)や、モーター・回路の動作です。長期間電池を入れたまま放置すると液漏れを起こすことがあり、内部の腐食につながっている場合は、その点を確認したうえでの査定になります。
どちらの方式でも、外装(ケース・ベルトの傷や歪み、風防のヒビ)の確認は共通です。方式が変わっても、外から見える状態と、内部の機構の状態を分けて見るという考え方は同じです。
ブランドと方式の組み合わせ
ブランドによって、扱う方式には傾向があります。ロレックスやオメガの主力モデルは機械式が中心です。一方、セイコーやシチズンは、機械式とクォーツの両方のラインナップを持っています。同じブランド名でも、モデルによって方式が異なることがあるため、査定の際にはモデル名・型番と合わせて方式を確認します。
持ち込む前に確認しておくとよいこと
機械式の時計は、止まっていても分解や修理をご自身で行わず、そのままお持ちください。オーバーホールの履歴が分かる書類が残っていれば、一緒にご用意いただくと査定がスムーズです。クォーツの時計は、電池切れのまま長期間置いていた場合、電池を抜く・抜かないはどちらでも構いません。液漏れが心配な場合は、その旨をお伝えいただければ、その場で内部を確認いたします。
時計全般の買取については時計の買取ページをご覧ください。ご自身の時計がどちらの方式か分からない場合も、LINEで写真をお送りいただくか、お近くの店舗でご確認いただけます。
この記事の数字について
この記事は、時計の動力方式に関する一般的な仕組みと、当社の査定士が確認している項目を説明したものです。特定の件数・金額の集計は行っていません。ブランドと方式の対応(ロレックス・オメガ=機械式中心、セイコー・シチズン=機械式とクォーツの両方)は、各ブランドの公表モデルラインナップに基づく一般的な傾向であり、当社の在庫構成を示すものではありません。
この記事の監修

山田査定士総合査定士
査定歴20年以上 / AACD協会基準判定士
時計・ブランド品・アンティーク品など幅広いジャンルを担当。香港を中心に海外バイヤーへの時計卸売業務にも従事し、真贋判定・輸入検品に精通。世界の市場動向を踏まえた信頼性の高い査定が強みです。
この記事について
機械式もクォーツも、まず外から見える傷や歪みを確認し、そのあと内部の状態を見る順番は同じです。止まっている機械式や電池切れのクォーツも、無理に触らずそのままの状態でお持ちいただくのが一番です。