金相場は10年で何倍になったか|645か月の推移
公開 2026-09-20
「金が高い」という話を、ここ数年よく耳にするようになりました。実際にどのくらい高いのか、そして今が本当に高値なのかを、数字で確認してみます。
当社の金・貴金属の相場ページは、1973年1月からの月次データ645か月分を持っています。53年分です。この記事では、その系列をそのまま使います。
10年で約5.1倍、5年で約3.5倍
まず、直近の値と過去を並べます。いずれも金地金1gあたりの月平均です。
- 2026年9月 … 24,280円
- 1年前(2025年9月)… 19,161円 → +26.7%
- 5年前(2021年9月)… 7,004円 → +246.7%
- 10年前(2016年9月)… 4,743円 → +411.9%
- 最も古い記録(1973年1月)… 690円
10年で約5.1倍、5年で約3.5倍になっています。1年で見ても26.7%上がっていますので、「金が高い」という実感は数字の上でも裏付けられます。
1973年1月の690円と比べれば35倍ですが、この間には物価も為替も大きく動いていますので、この倍率をそのまま受け取ってもあまり意味はありません。いま売るかどうかを考えるうえでは、ここ10年の動きのほうが参考になると思います。
ただし「今が最高値」ではありません
ここが、店頭でお話ししていていちばん誤解の多いところです。
この系列で最も高かったのは2026年3月の27,666円でした。直近(2026年9月)の24,280円は、そこから約12%低い水準です。
つまり、長期で見れば確かに歴史的な高値圏にありますが、直近の天井は半年ほど前で、今はそこから下がった位置にいます。「今が一番高いから急がないと」という話ではありません。かといって「下がってしまったからもう遅い」という話でもなく、10年前の4,743円と比べれば5倍の水準です。
数か月単位で見ると、上がることもあれば下がることもあります。一週間や一か月の違いで結果が変わることは、実際にあります。 急ぐご事情がないのであれば、相場ページをときどきご覧になって、ご自身のタイミングで決めていただくのが良いと思います。
プラチナは金とは別に動きます
同じ貴金属でも、プラチナは金とまったく別の値動きをします。同じ系列で、直近(2026年9月)のプラチナは 1gあたり10,136円です。同じ時点の金が24,280円ですから、倍以上の差があります。
かつてはプラチナのほうが金より高い時期もありました。「プラチナのほうが高級」という感覚をお持ちの方は今でも多いのですが、現在の相場では逆転しています。お手元にプラチナのジュエリーがある場合、金と同じ感覚で見込みを立てるとずれるかもしれません。プラチナの相場ページもご覧ください。
ここまでの数字は「小売価格」です
ひとつ、はっきりさせておきたいことがあります。
ここまで挙げてきた数字は、田中貴金属工業が公表している金地金の店頭小売価格です。買取価格ではありません。 当社が提示する買取価格でもありません。
買取の側の参考値としては、同社が公表しているリサイクル価格があり、当社の相場ページではそちらを基準とした市場参考価格を品位ごとに毎朝更新しています。長期の推移を見るときは小売価格の系列、今日の水準を見るときは品位別の市場参考価格、と使い分けていただくのが正確です。
お手元の一点に当てはめるときの注意
相場の数字を見て「うちのネックレスは20gだから、24,280円×20gか」と計算される方がいらっしゃいますが、これは二重にずれます。
ひとつは、上に書いたとおり小売価格であって買取価格ではないこと。
もうひとつは、純度です。お手元のジュエリーがK18であれば、金の含有率は75.0%です。純金(K24・99.9%)を前提とした数字とは当然ずれます。品位の考え方はK24・K22・K18・K14・K10は何が違うのかで説明しています。
実際に何を見て金額が決まるのかは金・貴金属の買取価格は何で決まるのかにまとめました。品位別の本日の参考価格は相場一覧、実物を量るのはお近くの店舗で承ります。
この記事の数字について
- 金・プラチナの月次の数値は、当社の相場ページが用いている月次系列(1973年1月から2026年9月までの645か月)の月平均値です。1gあたり・税込。
- 出典は田中貴金属工業が公表している価格です。長期系列は店頭小売価格(記事末尾の出典1)、当社が品位別の市場参考価格の基準としているのはリサイクル価格(同2)で、両者は別の値です。
- これは小売価格であって、買取価格ではありません。 当社が提示する買取価格でもありません。実際の査定額は品位・重量・当日の相場によって決まります。
- 「10年前」「5年前」「1年前」は、それぞれ2016年9月・2021年9月・2025年9月の月平均と、2026年9月の月平均を比べたものです。月平均どうしの比較なので、特定の日の価格の比較ではありません。
- 最高値は、この645か月の系列の中での最高(2026年3月・27,666円)です。日次で見ればこれより高い日があった可能性があります。
- 基準時点: 2026年9月の月次データまで。
この記事の出典
※ 本文中の当社の買取実績・相場は当社のデータに基づく実測値です。上記は外部の出典です。
この記事の監修

三浦査定士総合査定士
査定歴20年以上 / AACD協会基準判定士
ジュエリー・ブランド品をはじめ幅広いジャンルの査定・買取・仕入れに従事。真贋判定の知識と経験を活かし、社内では査定士の教育も担当。オークション仕入れの経験も豊富で、市場価格・流通状況を踏まえた査定を得意としています。
この記事について
「今が一番高いんですよね」と聞かれることが増えました。長い目で見れば確かに高い水準ですが、いちばん高かったのは少し前で、今はそこから下がった位置にあります。売り時を決めるのはお客様ですので、私どもは事実をそのままお見せするようにしています。